妄想すぴりっつ☆
妄想で始まる入学式
「俺… ずっと前から、真衣のことが好きだった。
だからその…
俺と……
俺と付き合ってください!」
ひらひらと薄ピンクの花びらが舞う、桜の木の下で、
あたしは、たった今、大好きな…大好きな、敦士君に告白をされた。
片想いだとばかり思ってた彼からの突然の告白に、
高鳴る心臓の音、目の前には大好きな彼。
まるで夢でも見ているよう…
あたしは、今起きている状況に、ただ感動するばかりだ。
ずっと、憧れてた彼にたった今、告白をされた…
ただ、遠くから見ているだけでよかった。
密かに想いを寄せているだけで充分幸せだった。
なのに、なのに…
神様! あたしは、こんなに幸せ者になってもいいのでしょうか?
いや、これがあたしの望んでいたことなんだから、
いいんだよね?うん。いいんだ…
あたしは、彼の…大好きな敦士君の目を見つめながら言った。
「あたしもずっと前から、敦士君のことが…
敦士君のことが…す…
リンリンリンリンリンリン
突然、あたしの言葉を遮るように鳴りだした音。
この音はなに?
「真衣!!いつまで寝てるの? 早く起きなさい!!」