妄想すぴりっつ☆
顔を洗い、歯を磨き終えて、
再び忙しく部屋に戻ってきたあたしは…
慌ただしく髪をセットして、慌ただしく制服に腕を通す。
紺色の真新しいブレザー、赤いリボンにベージュのカーデ、
それと…キティーちゃんのワンポイントの付いた紺ソ。
憧れの女子高生スタイル!
今まで何度、夢に見ただろう。
仕上げに、マスカラにグロス…シルバーのハートモチーフのネックレスを付けて、
「よし、できた!」
期待に胸を膨らませて、また慌ただしく階段を駆け下りる。
玄関先の鏡で、自分の姿を最終チェックして、
黒のローファに足を通す。
「あら、朝ご飯は?」
あたしの様子に気づいたのか、
お母さんが慌てた様子で玄関まで走ってきた。
「時間ないから、いいや!」
「そう? お腹が空いたらこれ食べなさいね。」
そう言って手渡してくれた、スナック菓子。
えっ?スナック菓子?
しかも、ポテトチップスって…
まぁ、いっか。
「ありがとう。じゃあ、行ってきます!」
「行ってらっしゃい。」
お母さんに見送られて、あたしは急いで家を飛び出した。