妄想すぴりっつ☆
掲示板の前は、ザワザワと生徒の声でにぎわっていた。
内容は、友達とクラスが一緒だとか、離れたとか云々かな。
そういえば、里沙は何組になったのかな?
里沙は、中学からの友達で、
同じ高校を受けた唯一の友達であり、
そして、何より親友と呼べる存在でもある。
あたしは、人並みをくぐり抜けて、自分の名前のあるクラスを探す。
みずの…みずの…みずの…
頭の中で呪文のように、自分の名字を唱えながら、
掲示板の真ん中辺りを端から端まで見ていく。
なんだか、合格発表を思い出すなぁ。
これがまた、めちゃくちゃ緊張するをだよね。
なんて考えてる場合じゃなくて、
みずの…みずの…みずの
あっ!あった、水野 真衣!
3組か。おっと、あたしの下に武藤 里沙!
里沙、発見!!
よっしゃー!同じクラスだ!
里沙がいるなら、安心だ。
ホッとしてるのもつかの間、
時間がないんだ!
あたしは、またまたダッシュで体育館へ向かって走り出した。