妄想すぴりっつ☆
やっとのことで体育館にたどり着くと、
あたしは、ラストスパートの焦りを掛けて、
今度は、半ば早足で自分の席のある3組を目指す。
どうやら、この様子だと式はまだ始まっていないみたいだ。
ようやく自分の席を見つけ、
なるべく目立たないようにそっとそこに座った。
出席番号順に並んでいるため、
右隣に目をやると案の定、里沙とばっちり目が合った。
「真衣! 遅いじゃんか!
あんた、超ギリギリセーフだよ?」
サバサバ系女子である、里沙に渇を入れられる。
「朝起きたらギリギリで、もう時間なくて…
家出たら…8時44分でさ、
猛スピードで自転車漕いできたんだ。」
あたしは、そう言うとゼー、ハァー息を切らした。
「でも、入学式そうそう遅刻にならなくてよかったね!」
「うん! 本当よかった。」
あたしは、心の中で大きく胸をなで下ろした。
猛ダッシュしてよかったぁー。
しょっぱなから遅刻なんてしなくてよかったぁー。
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