friend-イジメ-

冬-新しい友達?-

休み時間。

私はボーッとチョークの後が残っている黒板を眺めていた。

麗菜は入院中の時の勉強を特別教室で教わっていて、私は一人だからだ。

―たたっ―

「あの…」

私は顔を上げて声のする方を見る。

足音と共に現れたのは、転校生の吉岡さんだった。

「あの…新垣遥ちゃんだよね!よ…よろしく!」

「あ、うん!よろしくね!遥でいいよ!…ん…?」

「どうしたの?」

「私の名前を何で…?」

すると、吉岡さんは、私の机の上にある一冊の教科書を指差してこう言った。

「ここに名前書いてあるから。勝手に見ちゃってごめんね!」

優しく笑いながら謝る。

「え!ううん!気にしないで!吉岡さん!」

「あ。美月でいいよ!」

「分かった。美月」

私と美月が話していると、麗菜が帰ってきた。

「遥ぅ!ただいまぁ!」

「おかえりぃ!麗菜ぁ、こっちは美月!今話してたんだぁ!」

「あ!転校生の!美月って呼んでいい?あ!あたしは黒原麗菜、麗菜ね!」

「うん!よろしく、麗菜!」
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