俺様執事に全てを奪われて
拒否権なしの見合い決定
朝6時に私の一日が始まる

メイドが部屋に入ってきて、髪以外の身支度を整えてくれる

わたしはベッドから出て

立っているだけで、すべての用意が整う

6時半

執事がわたしの部屋に入ってきて、メイドがそろそろと部屋を出ていく

私は鏡台に向って椅子に座る

鏡に映る執事を見つめる

執事は無言で、櫛を手にとってわたしの髪を整える

黒くて腰まである長い髪の手入れをして

スタイリングをしてくれる

枝毛を見つければ、切ってくれる

『日本人形みたいね』

白い肌に、真っ黒い髪

血行の良い唇

小柄な体つき

それだけで私は日本人形

大人しくて、可愛い女の子と勘違いされる

慣れてるけど

見た目で判断してほしくない

この容姿を気に入っているのは、父と母と…そして執事だけ

…というか

執事の好みだろ


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