俺様執事に全てを奪われて
「おい、テーブルの上にあるのはなんだ?」

ものすごい低い声が私の頭上からしてきた

ベッドで横になっている私の上に乗りかかって、元が怖い顔をしている

「あ? ジュースだ」

「俺を怒らせたいのか?」

「もう十分、怒ってるだろ」

私はうつぶせで枕に顔を埋める

ああ、頭がなんだかクラクラする

梅酒を飲んでいる間はおいしくて、成人者だけが楽しむなんて、むかつく…って思ったけど

ちょっと気持ち悪いかも

一本しか飲んでないのに

「夕食も食わずに、部屋に閉じこもってると思いきや
こんなもんを飲んで、何を考えている」

「何も考えてない…てか、考える力が無くなった」

「当たり前だ
お前は酒を飲んだんだ
思考力が落ちて、当然なんだよ」

「酒は、思考力が落ちるのか…そうか
だからクラクラするのだな」

「未成年が飲んでんじゃねえよ」

ぼそっと元が悪態をついた

執事さんがそんな口が悪くていいのかよ…

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