俺様執事に全てを奪われて
「しばらく海に入っていよう」

「それがいいと思う」

「だが目の端にうつるとなあ…苛々する」

愛子がかわいた笑い声をあげた

「愛子はイライラしないのか?」

「苛々かあ…うーん、あのお姉様がたと腕なんか組んでたら
あとで一発か二発かは…殴りたいかもぉ」

な…殴る?

愛子って意外と…強いんだな

わたしはイライラする

もしかして海に入らないのは…こういうのを期待していたのか?

綺麗な女性に、囲まれるのを楽しみにしていたのか?

ガキと遊ぶより

大人の女性たちと会話を楽しみたいってことなんだな

ふんっ

ガキはガキらしく遊んでやるっ

「愛子…あいこ?」

愛子が泣きそうな顔をして、わたしの肩を掴んできた

「乙葉、お腹……」

え?

ナニ?

どうした?

「お腹がどうしたんだ?」

「減ったあぁ」

「はあ?」

< 114 / 224 >

この作品をシェア

pagetop