俺様執事に全てを奪われて
「あ…あとから揚げも食べたいなあ」

愛子は立ち並ぶ屋台を眺めている

わたしも何か食うか

食ったら、イライラが吹き飛ぶかもしれないしな

「はっ…愛子、金を持っているか?
わたしはいつも元任せだから・・・持っていないのだ」

「え? あ…そうだ
私も海に入るからって、財布を有栖川に…」

わたしたちは見合った

絶対に、あそこには戻りたくない

…てか

女性に囲まれている男に声をかけたくない

「が…我慢するか?」

「そう…だねえ
お昼はバーベキューだし、ねえ」

お互いに苦笑し合う

「ね…お金、ないの?
奢ってあげるよ」

横から、金髪の男性が2人ほど近付いてきた

「は?」

わたしは横を見る

いかにも軽そうな男たちだ

二人とも金髪で、腕にタトゥーをしている

日焼けした肌は、黒くなっている

「おれらも二人だし
どう?」

「は?」

わたしは男たちを睨んだ

…奢ってもらう必要はない!
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