俺様執事に全てを奪われて
「なあんだ
妊娠してないのぉ」

へ?

母親の声にわたしは振り返った

葉はにこっと笑うと、肩をすくめた

何で…知っているんだよ

「妊娠だと?
なんだ、それはっ」

聞き逃さなかった父が、母に質問する

「え? 何が?
ニシンがないのぉ?って言っただけよ」

母はさらっと嘘をつく

「乙葉、旅行のお話をママに聞かせて!」

母は私の腕に絡みつくと、一緒に階段をのぼっていった

「奥様…」

「須山、紅茶を二つ
お願いね」

「はい、かしこまりました」

元が声が背後で聞こえる

母はどうして知ってるの?

どうして帰ってきてるのよ
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