俺様執事に全てを奪われて
指輪を決めて、式場を決めて……家に帰って来たのはすでに午後8時過ぎていた

つ…疲れた

「ぬ…ぬわんじゃこりゃ!」

わたしは自分の部屋に入って驚きの声があげた

ベッドが……大きくなってる!

家具の配置もすっかり違うじゃないかっ

いつのまに?

…ってわたしたちが外にいる間なんだろうけど

「新婚仕様よ!」

母が、腕を組んで満足げにうなずいた

「はあ?
どう見てもラブホの一室じゃんか!
なんで、部屋がピンク色なんだよ
なんでベッドに意味のないリボンがひらひらしてんだよ!
なんで部屋についている風呂が、ガラス張りになってんだよ!」

「だから新婚仕様って言ったじゃなぁい
子作りのためよぉ
須山にむらむらしてもらわないと」

「意味がわかりませーん」

わたしは耳を押さえて首を左右に振った

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