俺様執事に全てを奪われて
部屋のドアの前で、元が振り返ってわたしを見てきた

まるでわたしの心を読むかのように、鋭い目でわたしの目をまっすぐに見つめている

ふん、負けるものかっ

父に連絡したら、それこそ大変なことになる

…てか

海外から飛んで帰ってくるだろう

下手したら、戦闘機を乗っ取って帰ってきそうだ

んで、有栖川家にミサイル攻撃だな

それくらい父は、焼きモチ焼きだ

…というか娘に甘いが、娘の外敵になりそうな者には容赦ない仕打ちをする

やっと生まれた一人娘だからだろうか…

母に呆れられているほど、父はわたしを愛しすぎている

わたしも、ちょっとウザい

ウザいが、ちゃんと相手をしないと…面倒くさい

「なら、勝手にしろ」

元がぷいっと横を向いた

よしっ!

これで聖子を叩ける

わたしは心の中でガッツポーズを作った

「だが、ワンピースは駄目だ
振袖にしろ」

「嫌だ」

「嫌なら、ご主人さまに連絡する」

なっ…そうきたか!

脅すとは卑怯なっ

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