俺様執事に全てを奪われて
「まあ、妊娠しているはずもないんですけどね
僕たち、そういう関係じゃないですから」

有栖川が、真剣な目で聖子を見つめた

聖子はふんと鼻を鳴らした

「そういう関係じゃないってどういうことかしら?」

「お見合いの日に、僕はあのお茶を飲んでいません
乙葉さんがお茶に媚薬が入っていると教えてくれたので、飲まずに
飲んだふりだけをして帰りました」

「旅行はどうしたの?
使用人の話によれば別荘のベッドが…」

「あ…乱れてました?
それは僕と愛子さんでしょう」

有栖川がにっこりとほほ笑んだ

違うだろ!

あれは生理痛でわたしが使ったんだっつうの

「ねえ、母上
満足しました?
僕を操り人形のように使って…さぞかし楽しかったでしょうね
でも僕は人間なんです
人形ではありません」

おいおいおい!

わたしの華麗なる反抗劇は?

おーい!
< 174 / 224 >

この作品をシェア

pagetop