俺様執事に全てを奪われて
ちょ…待てよ

身体が、おかしいんだが?

わたしはテーブルに手をつくと、大きく息を吐いた

「あら、やっと効いてきた?
なかなか症状が出ないから、どうしようかと思ったわ」

「乙葉…どうしたの?」

母がわたしの背中に手をおいた

ぞくぞくっと寒気が走る

これって…もしや…?

「有栖川は平気か?」

「ええ。僕はお茶を飲んでませんから」

「そうか…なら、元を呼んできてくれないか?」

「わかりました」

有栖川が立ち上がると、部屋を出て行った

「聖一郎も飲んで、二人を個室に閉じ込める予定でしたのに
これでは失敗もいいところだわ
わたくしの最後のいじわるだと思って、旦那になる男に抱かれるといいわ」

聖子はつまらなそうに吐き出すと、部屋を出て行った

くそっ

なんだよ、それは!

お茶に媚薬が入ってるなんて…思いもしなかったぞ

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