俺様執事に全てを奪われて
元は生徒会長だった?
「男が少ない生徒会で良かったな」

家に帰ってきた元が、嬉しそうに顔を緩ませた

は?

良かったのは元だろ

わたしは男が多かろうが、少なかろうが関係ない

その場所に愛子がいれば、それでいい

話しのあう人が近くにいてくれるだけで、楽しくなるからな

「元は小山内先輩を知っているのか?」

「乙葉こそ、勇人を知っているのか?」

互いに質問をし合ってどうするんだよ!

わたしは学生鞄を置いて、ソファに座ると口を曲げた

「知っている…が、顔を知っているだけだ
わたしが高校の見学をした際に、講堂で挨拶をしていた
ああ…あの人が生徒会長なのか…ていう程度だ」

「そうか
そうだよな
勇人と乙葉は学年で重ならねえか
まあ、俺も重なってねえけど」

元がうんうんと頷くと、白手でわたしの学生鞄をしまってくれた
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