俺様執事に全てを奪われて
「…面倒ですか?
すでに想いを寄せている方がいらっしゃるとか」

「聞いているんですか?」

有栖川が目を丸くした

今日、初めてわたしの顔を見た

大変だな、お前も

「ええ
でもそれでも良いとわたしは考えております
遊びはよくあることです」

「遊びね」

どうだ?

大人っぽい発言だろ?

本来のわたしなら、遊びなど許さないが、な

寛大な女のように見せるのだ

まだ使用人がいるからな

…ていうか

さっさと出て行ってくれないかな、使用人…

邪魔なんだけど

早く終わらせたいんだ

こんな茶番など

無意味だ

本題に入りたい

苦しいんだよ、着ものが

正座の体制がきついんだよ
< 23 / 224 >

この作品をシェア

pagetop