俺様執事に全てを奪われて
元がわたしの腕を強く掴んできた

いたっ…なんで、そんなに怖い顔をするんだ

「俺が何も思ってないとでも考えていたのかよ
どんな想いで、今日を迎えたか
何も知らねえのは、乙葉のほうじゃねえのかよ」

は?

わたしのほう?

何を言っているんだ

人を振っておいて、今更…わたしのせいにするなっ!

「悪いっ…ここで討論する時間はなさそう…だ」

元の顔を見た

額に汗をかいて、苦しそうに呼吸をしている

「早くここを出よう
話しは…俺の体が落ち着いてからでも…いいだろ?」

元は首に巻いているネクタイを緩めた

「お前を今日まで苦しめたのには、悪かったと思ってる
だが、俺の気持ちに理解していないのには腹が立ってるんだ」

元の手がわたしの頬に触れた

「一回じゃ足りないぞ」

「好きなだけやればいい」

「嫌がるなよ」

「嫌なら、元に告白しない」

「…サンキュ」

元はわたしの唇にキスを落とした


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