俺様執事に全てを奪われて
「どんな内容だったんだ?」

食堂に向かうわたしの隣で、元が聞いてくる

把握してない事柄に、少し苛ついているみたいだ

いつもより足音が大きく響いている

「知らん」

「知らないのに行くのか?」

「知らないから行くのだ」

元の溜め息が聞こえた

「なら俺も行く」

「急な呼び出しだった
元は仕事があるのだろ?
わたし一人で行ける」

「なら、迎えに行く」

執事の仕事を放っておいていいのかよ

「わかった
終わったら連絡する」

「ああ」

元は他人に厳しいが、己にも厳しい

執事の仕事とわたしのお守りと二役をこなしてる

一人で頑張りすぎなのだ

お守り役くらいべつの人間に任せればいいのに
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