俺様執事に全てを奪われて
『須山はいるのか?』

父の言葉に私は受話器を元に渡した

「元に…だ
あっ…んんっ」

気を抜いた瞬間に、声が出てしまった

わ、わたしのせいではない!

元がいけないのだ


元の眉間にしわが寄る

なんで声を出す…と言わんばかりの顔をしているが、どこか嬉しそうな顔もしていた

「もしもし? 須山です」

わたしの上から動くと、ベッドに座った

背筋を伸ばして、電話を耳につけていた

なんか…すごくむかつくんですけど?

なんで、自分が電話に出る時は自由の身になっているわけ?

なんだよ、全く

わたしは太ももから温かいものが流れてくるのがわかった

白いモノが出ている

これって…もしや?

わたしは元の背中を眺めた

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