俺様執事に全てを奪われて
「…で? どこに行くんだ」

「あ、聖一郎の教室」

「んああ?」

元の声が低くなる

不機嫌に口をへの字に曲げて、ミラー越しにわたしを睨んできた

「なんで?」

「見合い相手としてやることがある」

「意味がわからねえな」

そっか

元は何も知らないんだった

少しくらい話しておいたほうがいいのか?

「あいつには恋人がいる」

「あ?」

「だから・・・」

「お前は他に女がいる男に抱かれたのか?」

いや…抱かれてないが

「聖一郎は、恋人と一緒になりたいと思っている
だが、聖子はそれを許さない
なんとしても、聖一郎の恋人を排除しようとしている
それにわたしが手を貸している」

「なんで乙葉が手を貸す必要がある?」

「見合い相手だからだ
それに聖子はわたしを馬鹿にした
だからむかついた
何かしてやらないと気が済まない」

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