俺様執事に全てを奪われて
「わたしぃ…お花とかやったことないからぁ
聖一郎に教えてもらいたぁい」

わたしの声に、聖一郎の体がぶるぶるっと震えるのがわかった

な…失礼な!

こういうタイプの女は似合わないってわかってるっつうの

でも…演技は時には必要だろっ!

「あの…好きな方っていうのは…」

「ああ、後ろにいる元だ
ふふふ、うまくいったぞ!
わたしはあいつに抱かれた」

「はあ…それはいいんですけど
僕との関係を…きちんと話しましたか?」

「いいや
話してない」

少しは話したが、な

ついさっき

車の中で

「なんでですかっ!
誤解されちゃうじゃないですか」

「うん
嫉妬や焼きモチを焼いてもらいたいから
言ってない
それだけだ」

…元は嫉妬などせんが、な

そういうことにしておいてくれ

聖一郎はさっさと恋人と幸せになれ
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