俺様執事に全てを奪われて
「ちょっと、あなた、離れなさいよ
どの授業を受けたいのさ」

女性がバンっと書類をテーブルに叩きつけながら、口を開いた

「いやぁ…このオバサン、怖ぁい
乙葉、聖一郎が先生の授業ならどこでもいいよぉ」

ギロリと女性の視線が動き、聖一郎を睨みつける

聖一郎は両手をあげると、必死に首を横に振っていた

面白いな、聖一郎は

「ちょっと…聖一郎さん、こちらに来てください」

女性が聖一郎の耳を引っ張った

「いたたたたっ」

うわぁ…痛そう

耳を引っ張られるってされたことないからわからないけど

きっと痛いよねえ

「やあん、聖一郎、平気?」

わたしは甘ったるい声を出す

「あんたはついて来ない!」

女性がわたしを睨んだ

「うーん、寂しいなあ
せっかく聖一郎に会いに来たのにぃ」

「うるさいっ
ほら、こっちに来て!」

わたしがぱっと聖一郎の腕を離すと、女性に耳を引っ張られながら事務所の奥に姿を消した

ありゃ、きっと怒られるよ

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