俺様執事に全てを奪われて
「しないのかよ
元はずっと階段でパンツを見てたのかよ!」

「ああ、見た…んで、さりげなく鞄で隠してやった」

「はあ?」

「『はあ?』じゃねえよ
こっちが怒ってんだよ」

くすくすと声が聞こえてきてわたしは、顔を動かした

事務所の裏にいたはずの二人が、お腹を抱えて笑っている

聖一郎なんか

顔を真っ赤にして失笑している

な…なんだよ

笑うなよ

こっちは必死なんだから

「ちょ…そこっ!
笑うなよ」

「馬鹿な討論ほど、聞いてて飽きないわね」

聖一郎の横に立っている女性が、声をたてて笑い出した


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