僕らのベリーソルジャー
「くすっ。あんなに、変身嫌がってたのに。…ありがとう、一悟さん。」


抱き上げられて、近くなった一悟の耳に唇を寄せ、未明はそっと囁いた。


吐息が耳にかかる感覚が、くすぐったく、と同時に一悟の体の奥からゾワリと、小学生を相手にしている時に覚えるはずのない感覚が沸き上がりかけた。


しかし、ソレを一悟が自覚する前に、桃太の発言が辺りの雰囲気に、微妙なものをもたらした。


「…ところでさぁ、一悟。今思い出したんだけど、変身後、本当にベリーレンジャー…あれ?ソルジャーだったっけ?って名乗るつもりなの?」


…桃太、そいつは忘れたままで居てほしかった質問だよ。


心の中で、るろーっと涙をながしながら、一悟は思った。
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