僕らのベリーソルジャー
「なぁ、未明が『おねがい』するのと、俺が『変身』するのとは、おんなじなのか?違うとしたら、どこが違うんだ?」


唐突な切り出し方。


明らかに、町子の質問から逃げて、違う話題で乗り切ろうとしている。


しかも、それを隠そうという努力もしていない。


「一悟ちゃん、いさぎいいんだか、悪いんだか。」


呆れたように言う、しいの言葉は、その場の全員の感想でもある。


一悟自身も、そう思っているのだから。


しかし、そんなコトをさておいても、今、自分が置かれた状況に前向きに対処していきたいという気持ちもまた、一悟の中にあるのだった。

「ちゃんと知らなきゃ、ちゃんとした判断って出来ないよな?」


だから、と。


一悟は膝の上に抱えるようにして支えている、未明に重ねて聞いた。


「それで、どうすれば俺は変身出来るんだ?」
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