僕らのベリーソルジャー
「未明。」


心を決めて呼び掛けると、一悟は未明の手を取った。


「やってみようと思う。でも、その前に、握手してくれないか?」


さっき断られた握手を、もう一度、一悟から言いだす。


「…ありがとう、一悟さん。」


そう言いだしてくれた一悟の気持ちを察し、うれしさに、少し言葉を詰まらせながら、未明は一悟の手を握った。


「僕も、混ぜてよ。」


桃太が、そう言って上に手を重ねる。


「あ、うちも、うちも。」


「ずっるーい、あたしもーっ!」


町子と、しいまでもが、更に手を重ね、握手は団子のようになってしまう。
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