僕らのベリーソルジャー
そうして一悟は、未明をティラノの前へと連れてあがった。


「このまま、支えていてね。一悟さん。」


そう言うと、答えを待たずに未明は瞳を閉じ、ティラノに両手で触れ、語りかけた。


「お願い。聞いて。私の声、届いてる?」


深く、染み渡ることを意図しているように、囁く未明。


「…そう。ありがとう。じゃ、また、ね。」


やがて、どこからか反応があったのか、未明は頷いて、ティラノに礼を言い、
そうして一悟を見返ると下に降りて欲しいと指し示した。
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