僕らのベリーソルジャー
流れていく藍色だけで描かれた景色を、ただ見つめながら、不機嫌そうに一悟は返す。
「俺だって、今この瞬間は、持ってりゃなぁって思ってんだよっ!」
わざと視界に入らないように、外の景色に目をやってはいるが、一悟と桃太の立っている前。
電車の3人掛シートには、眠る3人娘の姿があった。
彼女達を起こさぬように、一悟の声はあまり大きい声ではない。
しかし、苛立ちが透けて見える強い口調で言う一悟の、そこに籠められた強い感情に触れてしまい、桃太は続けようとしていた言葉をそれ以上発しないまま、口を閉ざした。
「俺だって、今この瞬間は、持ってりゃなぁって思ってんだよっ!」
わざと視界に入らないように、外の景色に目をやってはいるが、一悟と桃太の立っている前。
電車の3人掛シートには、眠る3人娘の姿があった。
彼女達を起こさぬように、一悟の声はあまり大きい声ではない。
しかし、苛立ちが透けて見える強い口調で言う一悟の、そこに籠められた強い感情に触れてしまい、桃太は続けようとしていた言葉をそれ以上発しないまま、口を閉ざした。