僕らのベリーソルジャー



「…………町子、ゴメン。わたし、やっぱりムリ。」


走行中の電車の立てる音だけが、一悟達を包んでいた中、
突然、台詞が放たれた。


「あかんやん、しい。マミが、折角書いたシナリオなんやし、もうちょっと我慢せな。」


町子が小声でたしなめてはいるが、小声でも起きているコトはあからさまにわかる。


「………はぁ。2人とも、マミにも、僕にも、謝罪してくれる?」


今まで、なぐさめの言葉とやさしい腕が欲しくてたまらないのに、臆病で、二の足を踏んでしまうんだ、僕。みたいな風情をかもしだしていた少年までもが、そんな台詞を吐く。
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