僕らのベリーソルジャー
電車はゆっくりと減速し、Gの乱れと、車体のきしむ音を連れて、滑り込むように駅に停車した。


白々とした、寒い風景のホームに、子供たちは降り立つ。


「じゃぁね。一悟。」


桃太はそれだけ告げると、さっさときびすを返して、階下の改札へ向かう。


「あ、大将くん、待って。」


「勝手に一人で行きなや、女の子ほってったら、あかんやん。」


未明と、町子が慌てて桃太の後を追う。


「…私たちの為に大将はあんな事、言ってくれてるけど、ホントはどう言いたいのか、一悟ちゃんなら理解ってくれるよね?」
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