僕らのベリーソルジャー
「い…一悟っ!き、て……くれたんだっ…ね。」


全力で走ってきたのだろう。
苦しそうに息を継ぎながら、そう言い。


天馬は一悟に抱きついた。


「よかっ…た。も…来てくれなかったら、どう……っ!」


飲みかけていた缶を、傍らに置き、一悟は両手を空けると、自分にすがるようにとびついた天馬の身体を、強く抱き締めた。


「やっ…なにすっ……っ!」


その突然の行動に驚き、天馬は身をよじって逃れようと、一悟の腕の中でもがいた。


「じっとしてろ。」


低く、しかし強い語調で一悟は言った。


そうして、言葉を封じられた天馬を一層強く抱き締める。
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