僕らのベリーソルジャー
幼児のように、一悟にしがみつき肩口に顔をうずめていた天馬は、泣き顔をみられぬように、ふい、と顔を背けた。


「…顔、洗ってくるよ。」


ぼそりと、そう言うと少し先に設けられている水飲み場へ向かう為、立ち上がる。


「ちょっと、待て。」


一悟は天馬を呼び止めると、担いでいたバッグの中からスポーツタオルを取り出して、天馬の方を見ないように気を付けながら差し出した。


「嫌じゃなきゃ使えよ。まだ洗濯したばかりで、きれいだと思う。」
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