僕らのベリーソルジャー
桃太の要請に返答しようとして、一悟は自分の体の変調に気付いた。


『……一悟?』


返答がないことを不審に思ったんだろう、桃太からまた通信が入る。


「………悪い、桃太。しばらく動けねぇ。」


必死に耐えながら、ようやくそれだけの言葉を絞りだす。


『一悟?一悟っ!どうしたのっ!何かあったのっ!?』


桃太が心配そうに勢い込んで尋ねてくる。


あぁ、心配かけちまったなぁと思いながらも、あまりの感覚のひどさに、一悟は呻き声しか出せない。


「………大丈夫、だ。……………足が痺れただけ……」


ようやく告げると、一悟は地獄の責め苦に似た、あの感覚に。


身悶えながら耐えた。
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