僕らのベリーソルジャー
その意図するところを察し、頷くことで答えを返すと、扉に手をあてて、目を閉じている少女を見た。


「あのね、わたし達、少しの間だけ、入りたいの。だから開けてくださいね。」


背の中程まであるつややかな栗色の髪を、夜風になぶられながら、少女は一心に扉に向かってお願いしている。


そして一悟は、カチン、という鍵の開いた音を確かに聞いた。
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