僕らのベリーソルジャー
真っ暗と形容するには、窓から入ってくる街の光が、少しばかり明るく照らしすぎだが、自前で点いている照明は非常口の緑色の光のみ。


無人の博物館は、しんと静まり返っていた。


誰かが不用意に立てた足音も、ホールの高いドーム型の天井に、吸い込まれるように消えていった。


「ここで、何をするつもりなんだ?」


尋ねた一悟の声も、思ったより大きく響き、周りの小学生達から、しーっとたしなめられた。
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