意地悪彼氏
「うッ…ううんッ。
迷惑ッ迷惑なんかじゃないよッ!!!」
迷惑なんかじゃない…。
返事なんて"OK"に決まっている。
「あ…あたしも前から…
皆川君のこと…好きで…だから…
よッよよよろしくお願いします!!」
テンションがMAXなため、
言葉がつっかえてすんごい
大きな声で返事をしてしまった。
「…えッ…本当に??」
あたしが返事をした途端、
目を大きく見開いて……明らかに
びっくりしている様子の皆川君。
「うッうん!!」
あたしは皆川君の言葉に、
額に冷や汗をかきながら大きく頷いた。
「…よかった。あッこれケータイの
アドレスと電話番号書いてあるから…」
紺色のズボンのポケットから
小さな紙切れを嬉しそうに取り出すと、
皆川君はそれをあたしに差し出した。
「あ…ありがとう」
あたしが照れながらお礼を言うと、
ものすご~く優しい笑顔で
皆川君はニコッと笑った。
その優しい笑顔に周りの女子はロックオン!!!
皆川君はそう言うと、
あたしに背を向けて歩き出した。

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