帰宅部室は萌え!
「わぁきれーっ」
隣ではしゃぐ優花と、駅へ流れてく人。
ほんの一瞬だけ彼女の手を意識したけれど、なんとなく気付いている気持ちにも素直になれないまま、ツンとして目を反らし再び歩きだした。
ら、呼び止められた。
「たけるー」
「…」
武琉が振り向くと、そこには携帯を構う優花。
夕日に髪がキラキラと輝いていた。
「写真とろー」
そう言いながら手招きする彼女に、「なんで、」と言いながらも、素直に横に並んだ。
辺りを照らす橙の光がふわふわと二人を新たに包みこんだ。
「いーい?」
「おぉ」
優花が武琉の袖を引く。
「いくよー?はいっちーずっ」