帰宅部室は萌え!


「わぁきれーっ」


隣ではしゃぐ優花と、駅へ流れてく人。




ほんの一瞬だけ彼女の手を意識したけれど、なんとなく気付いている気持ちにも素直になれないまま、ツンとして目を反らし再び歩きだした。


ら、呼び止められた。




「たけるー」


「…」




武琉が振り向くと、そこには携帯を構う優花。


夕日に髪がキラキラと輝いていた。




「写真とろー」


そう言いながら手招きする彼女に、「なんで、」と言いながらも、素直に横に並んだ。


辺りを照らす橙の光がふわふわと二人を新たに包みこんだ。




「いーい?」


「おぉ」




優花が武琉の袖を引く。


「いくよー?はいっちーずっ」




< 21 / 23 >

この作品をシェア

pagetop