trip
1章
夏の匂い

蝉の鳴き声

夏休みの宿題…部活…。


其処にあるのは紛れもない15歳の真実。







――…trip… ――





「お前、どうすんだ?来んの?」
そんな感じで、不意に誘われた飲み会。


幼なじみの集まり。

いつものノリ。
ばか騒ぎもたまには楽しいもんだ。
30歳を過ぎた男達の楽しみと言えば、酒を飲む事ぐらいだし。

「和泉、お前禿げた?」

そういって俺をからかうのは、伊東隆弘。
仲良くグループの中で、一番頭が良かった。確か、一流大学卒。
だけど、結局今は中小企業の課長代理。
もったいない。

「隆弘こそ、生え際ヤバイぞ」

なんて、馬鹿話。

こいつらだから出来る話だし。
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