すべてのモノは夢を見ている
「はぁ?」

  「誰?、それ」

「香織、どうしたの?」

 「大丈夫?香織」


だれも私の期待している答えは返してくれず、
それどころかハルが存在自体していなかったかの様な答えが返ってきました。


つい、ほんの数分前まで教室にいたハズのハルは、
突然その存在自体が無くなってしまったのです。

私の記憶の中のハルを除いて。


それからは何か漠然とした不安が私を包み込んでいました。

幼なじみのハルとの思い出も、何故かはっきりと思い出させない部分があったり、
より一層不安に駆られていました。


そのころからです。

夢を見た事のなかった私が、やけに生々しい夢を見るようになったのは。

いつも同じ夢でした。
< 4 / 11 >

この作品をシェア

pagetop