死神の花
死にたがりの少年
此処から飛べば
全てが終わるんだ。
この退屈な日常から、くだらない規則から逃れられる。自由になれるんだ。
さぁ、早く飛び立とう。
俺は自由になるんだ。
高層ビルの屋上から、俺は飛び降りようとした。だけど、それは誰かの手により止められた。

「君‥私の仕事を増やさないでくれる?
死亡者リストに君の名は無いから……死なれては困る」

飛び降りようとした俺の左手首を掴んだのは、幻想的な銀色の少女だった。
整った顔立ちで、深い海色の瞳は不機嫌そうに細められていた。
眉間にもシワが寄っている‥

「誰だよお前‥、邪魔するなよ!」

俺は少女の手を振り払い、睨みつけた。

何で邪魔をするんだよ‥
何で死なせてくれないんだよ‥
 
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