死神の花
"君は死なせない。私の唯一の手がかりなのだから‥"

最後にそれを言うと、何処からか聞こえてくる声は謎めいた台詞を残して聞こえなくなった。
近くには俺の悪口を言う奴しかいない。
それなのに、何故あの女の声が‥‥?
そんな事を考えていると、チャイムが鳴った。
周りの奴らが席に座ると同時に、扉を開けて教師が入ってきた。教師は教卓に手をつくと、言葉を発した。

「今日は転校生が居る」

教師の一言で、静かだった教室がざわめき始める。だけど、俺は黙ったまま窓の外を眺めた。
どうせ転校生も周りの奴らと同じで、俺の言葉なんて信じないんだ。
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