死神の花
「風花、入って来い」

教室が廊下に向かって言うと、扉を開ける音がした。足音が男子の感嘆で掻き消される。

「風花 雪菜です。よろしくお願いします」

その声を聞いて、俺は教卓を見た。
教卓の前には幻想的な銀色の少女。
整った顔立ちで、深い海色の瞳を隠すように大きなレンズの眼鏡をかけている。

声も姿も…昨日の"あの女"に瓜二つ。

「風花は親の事情で一人でコチラに来たそうだ。皆仲良くしてやってくれ。
風花の席は麻菊の隣だ。」

教師は教室から出ていった。
一限目の科目の教師が休みらしいので、一限目は転校生への質問タイムにすると言って……

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