死神の花
悪びれる様子もなく、風花は言う。だが、少しは悪いことだと思ってほしい。
何故かって‥それはあれだ。
プライバシーが‥

「言っておくけど、貴方のことなら何でも知ってるから」
「それ、プライバシーの侵害だろ」
「そんなの知らない」

風花はそう言うと、そっぽを向いた。
その姿は幼い子供のようで少し笑えたが、幼い子供ではないのだからプライバシー位守ってほしいと思った。

ていうか、何で俺の事知ってるんだよ。
しかも、何でもって‥‥

「死神だって言ったでしょ?」

ニッコリと笑い眼鏡を外した風花を見て、俺は目を見開いた。
なぜなら、昨日の女だったからだ。
 
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