死神の花
「はいはい、わかりました。わかりましたとも!俺が悪かったです!」
「当たり前よ」
風花は今だにしゃがみ込んでいる俺を見下ろして、顔色を一つも変えずにキッパリと言い放った。
情け容赦がないうえに、更に可愛げのない奴だなと、俺は思った。
「くだらない雑談は止めにしましょう。そろそろ本題を話したいんだけど‥」
話しても良いかと目で問うてくる風花に対して、俺は無言で首を縦に振った。
「‥私は死神だって言ったでしょう?」
風花はフェンスに近寄りながら声を発した。
"死神のユキです"
ふざけているのかと言いたくなるような二度目の自己紹介が頭の中を過ぎった。
まだ信じれない彼女の言葉が。