死神の花
「あ、起きた?」
目を覚ますと、そこは保健室だった。
俺はベッドに寝かされていて、そのすぐ側には風花が椅子に座っていた。
状況を理解する為に周りを見ている俺を見ながら、風花は息を吐き出して言った。
「私の許可無しでいきなり倒れて、更に私が呼び掛けても目を覚まさないなんて‥‥貴方、何様のつもり?」
それは俺の台詞だ。何で俺がお前にそんなことを言われないといけないんだよ。
「‥‥言っておくけど、心配なんてしてないんだからっ!!」
腕を組んでそう言い、そっぽを向いた風花の顔は、少し赤くなっていた様に見えた。だけど、それは俺の気のせいなのかもしれない。
まだ、頭がボーッとしている。だけど、あの時の"痛み"は、もう無くなっていた。