死神の花
 
口から出た言葉は、心にも無い言葉。
素直な言葉なんて、言えない。
 
「‥私、教室に行くから」
 
そう言って立ち上がった風花は、扉に歩み寄る。
 
「おい、待てよ」
 
ベッドから起き上がり、風花を追おうとするが、体に力が入らず床に倒れ込む。
あれ、何でだ‥?
立ち上がろうと試みるが、力が入らない。そんな俺には見向きもしないで、風花は保健室から出ていった。
 
「えー‥‥‥」
 
この薄情者‥。少しくらい助けてくれたって良いだろう!俺は、そんなことを思いながら保健室の扉を睨んでいた‥。
そう言えば、風花は教室に戻るって言ってたよな‥。
‥‥‥風花が‥教室に戻る?
‥アイツ、クラスの奴ら全員を敵に回すようなことを言わなかったか?

 
< 42 / 67 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop