死神の花
 
「悪いことしたかどうかは、自分の頭で考えろよ」
 
俺は風花の顔を見ずにそう言うと、黙って歩く。風花は一瞬だけ面白くなさそうな表情をしたが、直ぐに笑って「はい」と言い、後ろをついて来た。
 
 
俺と風花は下駄箱で靴から上履きに履き変え、教室へと歩を進める。風花は人とすれ違う度に恥ずかしそうに微笑み、お辞儀をして挨拶をしていた。
ていうか、何で風花は俺の後ろをついて来るのだろうか。
やっぱり、歪みっていう奴の原因である俺を見張っているのか?風花にとって、俺は邪魔なはずだ。だから、仕留める為に隙でも狙っているのだろうか。
 
「麻菊クン、私がそーいう事をすると思ってるの?」
 
うわ、また心を読まれた。
ていうか、猫かぶりはどうしたんだよ。本性が出てるぞ。
 
 
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