大好きなんだ・・・
大好きなんだ・・・
あたし、亜梨紗(アリサ)。中学2年生。突然だけど、みんなは恋してる?あたしはしてるよ。同じ学校、同じ学年、同じクラスで席が隣の幼馴染の彼に・・・。
あたしの好きな人、勇斗(ユウト)とは、今まで違うクラスになったことなんて1回もない。年少からだよ・・・?それってすごい確立じゃない?運命だと思わない?あたしは思うな。偶然にしては、すごすぎる確立だし、やっぱ運命だよ!!・・・って1年前のあたしに言ったら、どんな反応するんだろう?きっと「ありえない」とか、「絶対偶然!腐れ縁!」って言うだろうな(笑)
あたしが勇斗を好きになったのは、ちょうど半年前くらいかな?
あの頃1年生だったあたし達。あたしの友だちは皆、“恋”し始めてたけど、あたしはそんな気ちっぽけもなくて、男には興味ないほうだった。告白も何回かされてたけど、全員振った。だって男は勇斗で十分みたいな。
そんなある日。毎朝かかさず見ている天気予報。その日は遅刻寸前だったから、見れなくて、そのまま学校行ったの。
そして放課後、どしゃぶりの雨が降り出して、一瞬お母さんに電話しようかと思ったけど、お母さんは弟と一緒にでかけていて、いないんだ。
皆が傘をさして、小走りに帰っていく中、1人ポツンと取り残されたあたし。友だちは塾とかピアノとかあって一緒に帰れなかった。
雨が少しでも小降りになることを祈りながら空を見上げた。が、雨がやむ気配はなく、逆に酷くなっていった。仕方なくあきらめ、帰ろうとしたときだった。
―バッ―
腕をつかまれて、ひきとめられたあたし。腕をたどっていくと―そこには勇斗がいた。
「亜梨紗!何やってんだよ!!」
「何って、帰ろうとしただけ・・・」
「はぁ?もしかして、お前傘ないの?」
見下されたように言われた。