YouAgain


入学して1週間たった放課後。


何気なく教室の前を通ったら瑠璃が教室にひとりでいる姿を見つけた。


しかし瑠璃の姿はどこか不思議だった。


涙目で掃除道具入れや本棚をあさっていた。


「瑠璃…?」

「あっ…あっ…」


瑠璃は下を向い急ぎ足でて俺の横を通ろうとする。

俺は瑠璃の腕をつかんでそれを止めた。


「どうした?探し物?」

「純君…何でもない。」


瑠璃は震える小さな声で呟き、俺の手を振り払う


「何かあったろ?俺聞くよ。」

だが瑠璃は走って階段を駆け下りていった。

俺は静かな教室に入り、掃除道具入れを開けた。

勢い余った箒やバケツがバタンバタンとと音を立てて床に転がり落ちた。

それと同時にバケツの中から綺麗な黒いローファーが現れた。

ローファーの靴底には瑠璃の丸っこい字で名前が書かれていた。
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