YouAgain
「牧瀬は昨日両親が直々に退学届を出しに来た。」










「退学した生徒は無縁だ。私には関係ないから帰れ。」




気づいたら俺は近くにあった椅子を蹴り飛ばしていた。


鈍い音が響き渡った。


「純!」


ここで大輔に止められていなかったらどうなっていただろう。
いけないと分かっていたがおそらく…

完全に我を失っていた。


「おいお前!生徒指導室に来い!」


強面の体育教師が俺の腕をつかんで職員室から引きずり出した。







「お前何したか分かっているんだろうな?」


体育教師は箒を床に叩きつけた。けたたましい音に眉間にしわが寄る。


確かに我を失っていた俺自身は悪い。

だが、俺はそれ以上に失望感を抱いている。


生徒に愛情を持って接するのが先生だと思っている。

それに期待していた。

だが俺の先生は違った。


停学を言い渡され、殴られた頬をさすりながら廊下を歩く。


停学処分はすでにお袋に職員室の電話から伝えた。


俺は複雑な心境のまま重たいペダルを踏んだ。
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